会社法改正法の成立(7)~ 業務執行の社外取締役への委託

社外取締役とは

 社外取締役は、「株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう」(会社法2条15項)とされています。

 すなわち現行法上、社外取締役が、会社の「業務を執行」した場合には、その社外性を失うこととなります。

業務執行の社外取締役への委託

 しかし、あらゆる場面で、社外取締役が「業務執行」とされる行為を行ったことにより社外性が否定されることになってしまうと、社外取締役が期待されている役割を果たすことができなくなることも懸念されます。

 このため、改正会社法においては、株式会社と取締役との利益相反状況がある場合等、社外取締役の行為が期待されている状況において、社外取締役が業務を行ったことにより、その社外性が否定されることとならないよう、取締役会が社外取締役に委託した業務については,社外取締役がこれを執行したとしても,社外性を失わないものとされています(改正会社法348条の2)。

 ただし、社外取締役が、業務執行取締役の指揮命令により当該業務を執行した場合には、社外性を失うこととなりますので、留意が必要です(改正会社法348条の2第3項)。

 

ページトップへ